トラジャ 世にも奇妙なトンコナンハウス
世にも奇妙なトンコナンハウス
インドネシア東部スラウェシ島のトラジャ。
コーヒーが好きな人なら一度耳にしたことがある名前かもしれない。
インドネシアのコーヒーといえばインドネシア西部のスマトラ島で収穫されるマンデリンが有名だが、この村で収穫されるトラジャコーヒーも高い人気がある。
トラジャ村に訪れた目的は3つある。
1つは『トンコナンハウス』を見学すること。2つめは、トラジャ伝統の葬式を見学すること。3つめは、可能であればコーヒー農園を見学することだ。
マカッサルというインドネシア東部の街から夜行バスに揺られ、翌朝5時にようやく到着した。
トラジャのボル付近に宿泊。
トンコナンハウスを見よ!
トンコナンハウスの特徴は船の形をした屋根にある。
荘厳な姿だ。空に向かってグッと反り返った屋根。
左右対称に建てられたトンコナンが奥に連なっている様子は圧巻。
一度見れば誰もが驚き、魅了されるだろう。
ひょっこりトンコナン
村に到着して一番驚いたことは、トンコナンハウスが当たり前のようにあることだ。
観光客向けに保存されているのではなく、普通に民家として存在している。
村を散策するとのどかな田園風景が続き、民家の隙間から屋根の先端がひょっこりと顔を出していることがある。
外国人の自分たちにとっては物珍しく映るが、ここの人々にとっては日常の風景なのだろう。
近づいてみると…?
トンコナンは左右を1セットとして建てられる。
片方は寝床として、もう片方は食事を摂るためだと村の人が教えてくれた。
家の正面には水牛の角が吊り下げられる。
葬式の際に屠った水牛の角を『どうだ、うちすごいだろ!』と言わんばかりに富や権力の象徴として飾り付けるのだ。
また、近くで見ると家の表面に細かな模様が掘られていることが分かる。
巨大な家によくもこれだけこだわったものだと感心する。
現代と伝統の融合
一つ面白いと思ったのが、現代風の家とトンコナンが合体している姿を見かけたことだ。
屋根を木や植物で作ったものもあれば、トタン屋根にしているものもある。
現代の生活様式を取り入れつつも伝統を大切にしているように思われた。